智天使(ちてんし、ヘブライ語ケルブ כרוב、複数形ケルビム כרובים、英語Cherub、複数形cherubim又はcherubs)は、天使の一種。偽ディオニシウス・アレオパギタに由来する「天使の階級」では第二位に位置づけられる。
旧約聖書の創世記によると、神はアダムとイヴを追放した後、命の木への道を守らせるためにエデンの園の東に回転する炎の剣とともにケルビムを置いたという。また、契約の箱の上にはこの天使を模した金細工が乗せられている。神の姿を見ることができる(=智:ソフィア)ことから「智天使」という訳語をあてられた。
エゼキエル書10章21節によれば、四つの顔と四つの翼を持ち、その翼の下には人の手のようなものがある。ルネッサンス絵画ではそのまま描写するのではなく、翼を持つ愛らしい赤子の姿で表現されている。これをプット(Putto)という。
「彼はケルブに乗って飛び、」(サムエル記下22章11節)「主はケルビムの上に座せられる。」(詩篇99編1節)といった記述があり「神の玉座」「神の乗物」としての一面が見られる。
ケルブの起源をアッシリアの有翼人面獣身の守護者「クリーブ(kurību)」とする説がある。
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