ケサランパサラン(またはケセランパセラン)は、江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物とされる物体である。外観は、タンポポの綿毛や兎の尻尾のようなふわふわした白い毛玉とされる。たんすの奥にしまって餌としておしろいを与えて飼育すると幸福になるといわれている。良い心の持ち主の所の元に降りてくると言われている。
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動物とも植物とも言われ、その正体については明らかではないが、動物の毛玉であるという説や植物の花の冠毛であるという説などがある。山形県鶴岡市の加茂水族館ではケサランパサランと思われる物体を展示しており、その説明によれば、ウサギなどの小動物が、ワシなどの猛禽類に捕食された際に排泄される毛玉であるという。また、東北などの寒冷な地域において、小動物が捕食された際に残った毛皮の皮フの部分が縮まり、毛を外側にして丸まったものともいわれている。いずれにしろ、小動物の毛の固まりである事は確からしい。植物の花の冠毛が寄り集まって固まったものであるともされるが、こちらは本物ではないと言われている。また、びわの木でよく目撃されることから「びわの木の精」とも呼ばれている。また、一つ一つが小さな妖力を持つ妖怪とも言われ、UMA(未確認生物)にも登録されている。
尚、穴の開いた桐の箱の中で(空気がないと窒息してしまう)、おしろいを与えて飼育すれば幸運を呼ぶと言われているケサランパサランだが、一年に二回以上見るとその効果は消えると言われている。代々密かにケセランパサランを伝えている家もあるという。何故「密かに」かというと、ケサランパサランを持っているということは、あまり人に知らせないほうがいいといわれているからだという。おしろいにあまり香料や着色料が入っていると、ケサランパサランに悪いらしい。
1970年代後半に、ケサランパサランは全国的なブームとなった。この時ケサランパサランとされた物の多くは、花の冠毛からできたものであった。
化粧品ブランドの「ケサランパサラン」(Kesalan Patharan)も、このケサランパサランから採った名称である。